レッドウィングのエンジニア(2268)の歴史。PT91.99と茶芯/灰芯とナイフポケット | masayasu.com「サンダル兼長靴にエンジニアブーツが最高じゃん」と思い立って数ヶ月、暇があればエンジニアブーツについて調べて、各ブランドの名品や特徴について色々と勉強した。

どうしてもレッドウィングのエンジニアブーツがベーシックになってしまう。エンジアブーツの起源はウエスコ、チペワだというのに。

レッドウィングのエンジニア(2268)の佇まいは別格。一番良く見かけるデザインだから植え付けられてるのかな?

2268を調べていくと同じブランドの同じ品番なのに、年代ごとに特徴が違うことに気が付く。

年代でデザイン、革質、サイズ感、履き心地、それぞれ評判が違う。

ということで、ネット上で拾った情報と自分が実際に買ったPT91の感想を中心に、2268の年代ごとの良い点悪い点をまとめてみた。

レッドウィングとエンジニアブーツ(2268)

レッドウィングのエンジニアブーツは1961年発売以来マイナーチェンジを繰り返し展開されている定番モデルである。

エンジニアブーツはもともと鉄道機関士たちの作業用ブーツとして開発されたワークブーツで、重たい荷物が落ちてきても怪我をしないようにつま先にスチールが入っている。

靴紐は事故の原因になるため省かれ、甲・すね部分を2本のベルトのみで固定するシンプルかつ画期的なディティール。

軽くて機能的なワークブーツが開発されて以降、ワークマンや若者はエンジニアを履かなくなったが、レッドウィングは変わらずに半世紀もエンジニアの販売を続けている。

日本での販売は80年代から販売開始。当時、日本でネイティブアメリカのファッションが流行ったことで、革ジャンやデニムと合わせやすいエンジニアブーツがファッション的に大受け。

90年代からは芸能人の影響を受けてブレイク。

 

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キムタクが「若者のすべて」でPT91を履いてたのは有名。

日本では当時の渋谷系アメカジなどのアイコンとしてヒットしていたが、本場のアメリカではすでに販売が終わっていたのは驚く矛盾。(イギリスなどでは販売されてるのに)

レッドウィングのエンジニアブーツは外見こそは販売当初から変わっていないものの、革質やシャフトの太さなど些細なマイナーチェンジを繰り返してきた。

基本的にマニアの間ではレッドウィングのエンジニアブーツは昔の方が革もデザインも良いと言われており、廃盤の「PT91」や「PT83」などは現在も古着価格が上昇しており根強い人気を誇る。

ここで言われる「pt」とは一体なんだ?ということで詳細を書いてみる。

タグに書かれた「PT」の意味。83.91.99

レッドウイングのエンジニアブーツ等の内タグに記載される「PT」にはしっかりとした意味がある。

日本でのレッドウィングはファッショナブルな印象が強いが、本国アメリカでは創業から現在までずっと「ワークブーツ」に特化したブランド。(日本でいうミドリ安全のような)

ワーカー向けのブーツだった為に、アメリカの「ANSI規格」が定めた安全基準を満たしたアイテムが多く、その規格の名称が「Protective Toe」で、略して「PT」なのである

PT91は1991年に合格したという意味で、PT99は1999年に合格したという意味であることは確か。

レッドウィング2268の年代別の特徴一覧

年式 タグ 茶芯 シャフト
PT8 プリント 多め 細い
PT91前期(91~94) プリント 多め 細い
PT91前期(94~96) プリント 多め 細い
PT91後期(96~99) 刺繍 少なめ 細い
PT99(99~06) 刺繍 無し 細い
ASTM初期(06~09) 刺繍 無し 太い
ASTM現在(06~現在) 刺繍 無し 太い

PT91が人気の理由は自然で美しい「茶芯」

現行よりもPT91が人気の理由は、「茶芯」と「革の厚み」と「シャフトの細さ」である。

茶芯というのは黒のレザーが経年経過で下地の茶が出ることを指す。

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PT91などが作られた時代のレッドウィングは生産効率を上げるために、茶色のレザーの上から黒色を塗布しただけで、レザーそのものに色付けしていなかった。

たまたま茶の出方がカッコいいと騒いだマニアたちが価値を見出しネットオークションなどで「茶芯」という言葉を使ってやり取りをしたことで一般的になった。ブランド側が意図的に狙ったモノではない。

現行のエンジニアは茶芯の出ない黒に染まり切ったレザーを使っているため、経年経過のエイジングが楽しめない。

復刻版として狙って茶芯のエンジニア(9268)を出したが、ブラッシングをしただけで簡単に茶芯出てしまい不自然だとして不評。(草彅剛がYouTubeで「茶芯狙い過ぎ」と言ってたな)

やはり自然体なPT91時代の茶芯こそが自然で美しくストーリー性があるということ。

また、茶の色が薄いと「灰芯」と呼ばれることもあるそう。

見分け方としては、ベルトやテング部分の断面を見れば、元の素材が灰色なのか茶色かが分かる

年代によっては灰芯の革と茶芯の革をブーツの部分ごとに混ぜて作られてることもあるみたいだ。

 

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茶芯ほど人気はないみたいだが、捕色することで緩急自在なエイジングが楽しめるという意味では魅力である。

ちなみに自分が持っている茶芯よりもさらに露骨な茶芯も古くに存在しており、シャフトの裏側がほぼ茶色で茶の出方がダイナミックで美しい。その類が一番貴重でネット上ではドン引きするような価格で取引されている。

革が厚くて頑丈。昔のレザーの方が高品質?

昔のレッドウィングのエンジニアはレザーの厚みも魅力。現行のエンジニアはレザーが柔らかくすぐにシナっとしてしまう。

噂によると牛に与える栄養が変わったせいだとされている。PT99以降の年代はホルモン剤を打って育った牛が多いためにレザーの質が下がったとか。

自分の持ってるpt91は20年以上昔のものであるのにも関わらずシャフトがビシッと伸びている。

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履き込めば前方に程よくクネっと癖が付くが、現行の場合はクシャっと弱々しく倒れてしまう。

現行の方が軽くて機能的だという声もあるみたいだが、エンジニアを履いてる時点でその部分の気遣いは余計である。

高級ブランド(ウエスコやクリンチ)になっていくほど革は厚いので、エンジニアにとっての正義は厚さで間違いないかと。

シャフトが細いためファッションの幅が広い

そして、一番の魅力はシャフトの細さ

茶芯に興味がなくても、細いシャフトのエンジニアが欲しいという人が多くいる。

細めのパンツを履く人は、シャフトが細くないとファッション的に成立しない。`

エンジニアブーツの形を最初見た時に「これって細めのパンツの裾の中に入るの?」と思った。

過去、別のエンジニアブーツの9インチハイトを履いた際には、シャフトの部分が不自然にパンツの下から浮き上がってしまっていた。

しかしPT91はシャフトが細くてシルエットもシュッとしてる。

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スキニーほどピタッとしたパンツになれば話は別だが、細めのデニム程度ならパンツアウトで履くことができる

ナイフポケットもレアモノで人気

過去のエンジニアの中にはナイフポケットが付いたモデルもあり、数が多く出てないということで希少だそうだ。

90年代のチーマーの間でエンジニアが流行ったのは先端のスチールで喧嘩最強になれることと、ナイフをスマートに持ち歩けるということが理由らしい。あと、喧嘩になっても簡単に脱げないのが良いとか。

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正直、ナイフポケットはリペアのお店で後から付けれるので、そこまで必死に探す必要もないのかな?と。

過去にラッドミュージシャンというブランドのナイフポケット付きのエンジニアを所有していたが、細めのパンツでブーツアウトした際に、ポケット部分だけ浮き上がってきて、あまり好みではなかった。

本当にナイフを入れてしまったら形がバレて職務質問で逮捕だ。

PT91の悪い点。弱点・デメリット

シルエットがかっこよくて、厚くて茶芯の出る良い革で、まるでPT91は良いことづくしのように思える。

が、実はPT91が現行よりも劣る点も多くあるとされてます。

PT91の難点・デメリットを挙げるなら、

・足入れが大変

・革が歩くて馴染むまで痛い

・革が厚くて重たい

・インソールが紙

この4点。

シャフトが細いが故に足が入れにくい・脱ぎにくい

シャフトが細い分、足入れが難しい。

ネットにデットストックや美品がコンスタントに流出するのは、履きにくい構造であるが故に履かなくなって押し入れに温存してた人が多いからだと思います。

足入れが大変なだけでなく、馴染むまですごく痛い

革が厚くて頑丈な分、現行のクロームレザーよりも伸びが悪く、自分の足に馴染むまでに時間を要する。

脱ぐ際もブーツジャックを使わないと時間を奪われる。

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自分もジャストサイズのPT91を手に入れて初めてブーツジャックというのを買った。

足が入れにくい、馴染むまで足が痛い、脱ぐのが大変ということ。(甲が低い人は最初から何も苦労せずに履けるみたいだが)

エンジニアブーツは靴紐のない靴ということで、お店でワンサイズ下を買って自分の足で革を伸ばして馴染ませるのが良いと信じられてきた。

「じゃあ、ワンサイズ大きめ買えば良いじゃん」と思うかもしれないが、そうした場合は履き込んで革が伸びるとブカブカになってカカトが浮いたり靴擦れしたり大変なのである。

慣らして自分のサイズを完成させたら至福のブーツ。

長く履き込むには高額な中敷き修理が必須?

一番の難点は紙の中敷き

現行のエンジニアはレザーの中敷きになっているが、当時のエンジニアは大量生産とコスト削減が理由なのか、中敷きが紙のようなインソール

どんなに大事に扱っていても、履き込めばインソールがヒビ入ったり破けたりして大変。人間の足は1日にコップ一杯分の汗をかくと言われてるので、機能的に最悪。

かかとの交換などは街の靴屋で数千円で安く修理できるが、ブーツのインソールはそうはいかない。

糸を外してリウォルトしないと中敷きが交換できないということで、修理料金が高い

茶芯のために長く大切に履こうと思っていればいるほど、いつかは高い金額を払って中敷きの修理に出さないといけない運命にあるということです。

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