日本のオリコンチャートでついに1位を獲得した作品。イギリスでは4枚続けて1位という偉業。
自分がミューズの魅力に気づいたのはこの時期で、かな〜り遅い。そこは田舎者のお芋だから仕方ない。聴く機会がもっと昔にあったのにそこで見逃してしまったのが一番の失敗。
この時期のミューズは本作のSurvivalがロンドン五輪のテーマソングに使用されたり、聖火ランナーを任されたり、フィギュアで多く選曲されたりと日本のメディアでも名前の露出が多かった。アメリカのグラミー賞のベストロックアルバムにノミネートされたこともあってか、自分を含め多くの人がMuseを好きになった時期だったのかなと。
Song List
1.SUPREMACY
いきなりイントロで心掴まれる。綺麗系やおしゃれ系の曲が多かった前作の名残を残さない1曲目で、聴いた瞬間に「良かった」と思った。とにかくイントロが耳に残る。
サーフなイメージとメタルなお兄さんと、色々とミスマッチなビデオ。燃え盛る剣を持ってチャリで走るシーンや、劔を持って火を囲んでヘッドバッドするシーンなど、謎多し・・・笑。
2.MADNESS
「まままま、まーまい」と言ってるように聞こえるコーラス好き。ブラッドアイドピーズのファーギーのソロアルバムにありそう雰囲気の曲なのでポップ好きでもいけそうだ。マシューの歌い方も他曲と全く違った感じに聴こえる。途中のギターソロは全然ミューズっぽくないが良いアクセントになってて大好き!グラミー賞のベストロックソングにノミネートされたらしいが、最近のグラミーの好みが反映された結果なのかな?と。
駅構内に美女がウロウロ。構内でそんなにタバコ吸って平気なのか?ってぐらいに喫煙シーン多し。曲の歌詞に「狂気」という言葉多く登場するだけあって狂気的な内容。映像をさらっと見てる限りメンバーがかっこよく映っており、歴代の中でもイケメンビデオに仕上がってるなと。途中に出てくるタッチパネルの楽器は本当に存在するのか?笑
3.PANIC STATION
重たいベースが強い。当時のイギリスのトレンド感もあるが好きな曲。一度聴いたら絶対に忘れない曲。ヴォン、ヴォン、ヴォン、ヴォヴォーンってとこが特に最高。
日本で撮影したと言われてるビデオ。この撮影はツアーで訪れた際に行ったそう、忙しすぎるだろ。派手な格好で日本の街を歩くマシュー。普通に通行人などが映っているので、自分が知らないところでミューズのMV出演してる方多し。。笑。。紫のでかい怪獣は何だ?ゴジラのイメージ?メンバーが演奏してるお店は歌舞伎町にある「ロボットレストラン」というのはすぐに分かった。
4.SURVIVAL (PRELUDE)
ピアノから始まる。綺麗な曲。ドラマ系映画のサントラっぽい。
5.SURVIVAL
前曲のサントラチックな流れからくるので繋がっているのかと勘違いしてたが、実際は繋がってるで正解の模様。ロンドンオリンピックのテーマ曲であり前曲とセットで使用されていた模様。指パッチンで昔のアメリカンポップなノリになるかと思えば、ミューズらしいミステリアスなコーラスが入る。中盤からは重ためのプログレっぽい流れに突入し、SFアクションのような世界観に。
6.FOLLOW ME
静かでダークな雰囲気から始まりデジタルロックに展開。いきなりパッと脱がしのではなくて、上から丁寧に脱がしていくような凝った流れ。なんとなく、ガガが好きな人ならこの曲も好きなような気がする。
曲の歌詞が永遠と流れる。ライブでそのまま使えるビデオ。「君を守る」という男気ある言葉多いが、色恋だけでなく友情であったり、もっと視野が広く使われる意味かと。
7.ANIMALS
ホラーな出だしからのツーンとしたギター、控えめな歌い方がずっと続く大人しめの曲だが時より入る縦ノリカモンな間奏がアクセント効いてかっこいい。
悲しげなアニメ。貧しい親子と金儲け主義の男たちのやり取りが続く、ちょっと胸が痛いビデオ。親子の子供を攫い、子供の体の一部を奪いお金にしてほくそ笑むシーンなど怖い内容多し。最後は悪い男たちの裏切り合いが起きるなど生々しい。大人っぽい濃いメッセージが盛り込まれている。
8.EXPLORERS
ブラインドガーディアンか!?と思うような序盤。実際には迷いの森の少女を誘導するような優しさ溢れた曲。色んな鳴り物が使われてて可愛い。途中には珍しく女性らしき声のコーラスも入る。最後は迷いの森のゴールを祝福するような幸福度溢れた展開までいって終わり。
9.BIG FREEZE
王道のUK寄りの曲だが、バッグサウンドでミューズらしさを出してる感じ。昼間っぽい明るいイメージの曲。
10.SAVE ME
マシューの綺麗な歌声から入るバラード。途中からアルペジオに乗せられる部分でコーラスが入る。このアルバムではほとんどの曲にコーラスが入るが、どの曲もコーラスの声の種類が違うという発見。わりと最後まで同じ調子で突っ走る。
11.LIQUID STATE
ベースカッコいい!最初から最後までベースで引っ張り倒し、わずか3分しないうちに曲は終わり。長い曲が多いアルバムの中で珍しい。
12.THE 2ND LAW: UNSUSTAINABLE
アルバムタイトルになってるだけあって壮大で大作感モリモリ。そのままネットドラムが始まるのではないかというような音声や、ディズニーランドのアトラクション内にて流れるような世界観が露骨なバッグサウンドが流れる。ダンス部が文化祭で発表する際に作るオリジナルトラックのようである。それも宇宙をテーマにしたアニメーションダンスを披露したい人が作るような。
人間の内側と現代社会に混雑する数字と、何か危機的なメッセージが強い曲。ニュースキャスターの映像からのメンバーの演奏シーンと、混乱したコンピューターと、自分が曲だけで感じた世界観とは少し違うアプローチに見えた。もっと大自然を使った表現になると思っていたので。
13.THE 2ND LAW: ISOLATED SYSTEM
前曲よりも物語が前に進み、終結に向かって動き出してるような、ラストミッション感満載な曲。ドラムが入るところでなぜか緊張感を感じるから不思議。マシューのボーカルがほとんど入ることもなく、女性の声で終結する。想像力が動くの聴いた後にドッと疲れる。
前の曲のビデオで森のようなところを駆け抜けていた青年たちが今度は寂れた工場地帯のようなところを走り回る。後ろからは地球の生命を追う不気味な影が迫り、青年たちは必死に逃げ回る。影に呑まれた者の運命と、最後に覚悟した女の子が逆走して影に向かっていった先の運命と、それが地球の全てを覆っていった結果どうなったのか・・・色々と考えさせられる。恐竜の絶滅が隕石のような自然減少ならば、人間は自らを滅ぼす方向に向かっているのではないか?と。そういう濃い意味があるビデオ。