「殺し屋が集うダイナーで〜」って文句が既に好き。ラグジュアリーで世界観が好みそうという理由でかなり期待していた。
実際に鑑賞してみると確かに目の保養にはなった。
ダイナー[映画]の感想
制作年 | 2019年 |
制作国 | 日本 |
原題/原作 | 平山夢明『ダイナー』ポプラ社刊 |
監督 | 蜷川実花 |
出演者 | 藤原竜也:ボンベロ、玉城ティナ:オオバカナコ、窪田正孝:スキン、本郷奏多:キッド、武田真治:ブロ、斎藤工:カウボーイ、佐藤江梨子:ディーディー。 |
脚本 | 蜷川実花、後藤ひろひと、杉山嘉一。 |
美男美女だらけで目の保養
鑑賞する前に藤原竜也以外のキャストはチェックしておらず、まさかの小栗旬や窪田正考出演に驚く。2枚目の主演級のオンパレード。
派手なハロウィン系の衣装ばかりなので、それらを着こなすキャストたちのスタイルの良さが目を引く。体の線が綺麗なキャストばかり。
色使いが個性的だが、部屋に置かれてる家具や小物のセンスも面白い。特にGACKTのような風変わりなアーティストが好きな人のツボは抑えてる。
隙のないインテリア空間に美男美女が集まってる絵だけでも観る価値はあるかと。ヴォーグなど海外のファッション誌のページの世界がそのままドラマになっているような感じだ。グロさを省いて観やすくしてくれるのも嬉しい。
主人公のウエイトレスの心境の変化に合わせてカラーが違う。序盤のダークな色調から、中盤から煌びやかに、最後は破壊的でカラフルになっていくような演出は最高だった。
ただ、キメ込みすぎてダサく見えるキャラクターもいた。もっといえば、ストーリーは二の次か?と思う部分も。
キメ込み過ぎでダサい
主に映像美や衣装やキャストの美貌を楽しむ映画だと振り切りたいのだが、仕草やセリフが決め込み過ぎて、観てるこっちが恥ずかしくなるシーンも多々。
特にダサいと感じたのは真矢みき。帽子をキュッキュやったりピストルを次元風に構えたり、決め込み過ぎてダサく感じてしまった。
真矢みきのようなカッコ良い女性がキマッた衣装を着てるのだから、それ以上のことはしなくても十分カッコ良いかと。
名前は忘れたが、作り込みすぎて美しさを殺してしまってるキャラが他にもいた。
おそらく原作のキャラがみんなキマッた風合いだったのだろう。しかし、カチッと固めた後の”崩し”の美しさがあれば最高だと思った。
ストーリーが好き
結果的に楽しめた映画。
大まかなストーリーをまとめると、
親に捨てられ料理が上手いのが唯一の取り柄である主人公のオオバカナコ。メキシコ旅行に憧れ代理店を訪れるが予算が大幅に足りず。高給に惹かれ訪れた面接から闇の世界に引きずり込まれ、あるダイナーでウェイトレスとして働くことになる。そのダイナーの店主は元殺し屋の天才シェフで、実はその店も殺し屋専用。ゴミのような扱いで仕事は大変。普通の飲食とは違った心配りに戸惑いながらも仕事に励むうちに殺し屋のお客さんたちのとばっちりに巻き込まれていく。
個人的に好みの世界観で、インテリア、小物、映像も好きなのでそれだけで満足。そして”こんなストーリーであったこと自体が楽しめた”ということ。
原作と答え合わせをしながら観た人からすると粗が多いのかもしれないけど。そもそも何に期待するべき映画なのか。
自分の想像ではもうちょっと内容が薄い映画だと思っていたが、想像を超えてくれた。
アクションのクオリティが高い
殺し屋連中のアクションが素晴らしい。みんな身軽で説得力のあるアクション。アクション作品に強いキャストが集まっている。
土屋アンナの野生的で野蛮な演技も素晴らしかったし、藤原竜也の緊張感ある戦闘シーンも見事。犬のCGもリアリティあった。
狭い世界の話ではあるが、アクション展開のテンポが良いだけにスケール感を感じた。それがなかったらもっと閉鎖的で観ていて疲れていた。
ファッション性を飽きることなく最後まで楽しめる映画だと認識してる。
ドラマ的にはボンベロの「望みが叶わないことが生きる希望になっている人間もいる。」という言葉が心に残ったぐらい。
映画・ダイナーが原作小説/漫画と違う点
原作と映画の違いについて調べてみたが、個人的にビックリしたのは以下の4点。
・マテバ(小栗旬)は漫画/小説だと最初から死んでる。
・コフィ(奥田瑛二)は漫画/小説だとダイナーのオーナー。
・無礼図(真矢みき)は漫画/小説だと美しくない。
・マリア(土屋アンナ)は漫画/小説には存在しない。
原作よりも、美しさや見た目のインパクトや刺激に比重が寄ってるのか。
なんで真矢みきがあそこまでカチカチにカッコつけていたのか・・・原作のキャラの再現につまづいたのかと思っていたが、そもそも美しいキャラではなかったから驚き。追加オプションならもっと崩しをくださいよ。トム・フォードだってフォーマル最大の色気は崩しだって言ってGUCCIを復活させたではないか。
しかし、それだけヴィジュアル映画として振り切れているということ。自分は結果的にこの映画は好きだ。
本郷奏多に気づかなかった
キッドを演じるのが誰なのか最初気づかず。「君の名は。」の瀧くんの声優やってた俳優だと思っていたが、どうやら違う。
エンドロールで本郷奏多の名前を見てビックリした。なんで気づかなかったんだ。
2019年のGACKTの誕生日ライブに本郷奏多がゲストに登場して、大人のかっこいい俳優になったなと思っていた矢先だ。
最近は塩顔系のイケメン俳優が多いから分からん。自分がオッサンになっただけか。