イスラエルが2次ラウンドまで全勝で来た背景には、ユダヤ系アメリカ人選手を代表として歓迎したことあげられるが、実際にはほとんどの選手がマイナー所属で、現役バリバリのメジャーリーガーは誰もいなかった。

キューバは前大会まで将来のメジャーリーガー候補の選手がゴロゴロいたが、現在は30歳後半にもなるベテラン選手に頼らなければいけない状況であった。

直前に両チームの出場選手を目視してると、知ってる選手はイスラエルのデービスだけだった事実。彼が現在フリーエージェントだと知ると少し凹む…笑

現役でエグい選手はいないという事ではあるが、近々メジャー昇格するかもしれないマイナー選手が多くいたので、そちらに注目した。


・東洋アジアのファンが多い

球場に入って気付いたのだが、中国人だが台湾人だが韓国人だがのファンが多いということ。

皆、自分の国が2次ラウンドに進出することを信じてチケットを買って仕方なく来たのだろうか?

中国は数日前に東京ドームでの1次ラウンドにいたので、中国人が観に来てるのは自然に思えたが、日本以外で1次ラウンド敗退してる国のファンがいたことに驚きであった。

日本のユニフォームを着てる台湾人を多く見かけたが、わざわざ応援しに日本まで来てると思うと胸熱だった。

自分らは試合を見る前にドーム内を一周散歩していたのだが、途中「オォー!」と歓声が湧く。「なんだ?」と思ってグランドを覗くとデスパイネがダイアモンドを周っていた。あぁ、ホームランを見逃したのか・・・笑


・メッツにいたデービス

自分が主にメジャーを見ていたのは2010年から2013年頃まで。その頃にバリバリに活躍していたアイク・デービスが普通にレギュラーで出場していたので、ちょっと嬉しい気持ちに。

しかし「今どうしてるの?」と調べてみると、ドジャースの傘下のマイナーリーガーだと知る。時代の流れって怖い。年齢はまだ30歳というのに、もっと長くメジャーの舞台で活躍して欲しかった。

▼デービスが打席に立つだけで興奮した。こんな閑静な球場ってのが悲しいが。

 

▲結果は四球での出塁。キューババッテリーも警戒してる感じ?

デービスは出塁するとすぐに代走を送られ、見れた打席はこの四球だけであった。もっとじっくり観てみたかった。


・イスラエル先発のジェイソン・マーキー

イスラエルの先発のマーキー投手は、球速が140ちょっと「あれ?」と思っていたら、直球を一切投げないショートボーラーだった。思えば前大会の台湾・元ヤンキースの王健民投手もシンカーしか投げない投手であった。国際試合だというこういうスタイルの投手が観れて面白い。

▼打ちづらそうで6回までを投げて、キューバ打線を1点で抑えるナイスピッチング。

 

現在38歳になる彼はフリーエージェント。もしかしたら、この試合がキャリア最後の大舞台だったかもしれない。

メジャーの成績を調べてみたら2005年から2009年まで、4年連続で2桁勝利を挙げている好投手だったことがわかる。メジャーをしっかり見てた時期には彼の名前は聞かなかったので、すれ違い感が・・・笑。

▼ピンチでは味方の好プレーに救われるシーンが多くあり、少し危なっかしい内容。

 

▲ガイレン選手のファインプレーには球場が湧いた。


・4回のイスラエル監督のボーク抗議
4回のイスラエルの攻撃にて、キューバの投手の牽制の後に、イスラエルベンチが大声をあげる。

▼イスラエルベンチから監督がベンチ前まで出てきて、何か抗議っぽいことを言ってるが…

 

▲試合を止めて話を聞いてあげることなく、淡々とプレーが続いていた。

おそらく牽制に対するボークの抗議だったと思うが、自分の動画を見てると確かに怪しい。

WBCは国際試合ということで、グランドに入る審判はアメリカ、イタリア、台湾など色んな国から派遣される。当然、判定基準も各審判も異なる。

プレーする選手の基準も各国微妙にズレがあるから、そりゃ揉めるときは揉めるだろうな。

2015年の高校選抜の世界大会では、日本のオコエ選手がアメリカの投手の牽制に挟まれたが、投手のフォームは完全にボーク(日本の価値観では)、アウトになったオコエ選手は両手を広げて「ボークじゃないの?」とアピールするが、無視されていた。

判定に対する各国の基準の統一など、もう少ししっかりしてほしい。

異なる判定基準が国際試合の新しい楽しみ方と言われればそれまでだが、ルールが違うというのはさすがにかわいそうすぎる。

 


・4回に簡単に同点

2回に先制したキューバだったが、4回の裏にすぐにイスラエルに同点に追いつかれる。

▼先頭の3番デービットに四球を出し後に、4番と5番が連続で三振を奪うも、6番のラバンウエーにレフト前ツーベースを打たれる。

 

▲鋭い打球がレフト線に入り、フェアでファーストランナーのデービスが帰還。

あっさりとした同点劇・・・イスラエル恐るべし!


・5回のモレホン捕手の肩

機動力が生命線にもなっていた日本は、キューバと対戦する前、「走れるチャンスはあるのか?」とモレホン捕手の肩に注目していた。日本とキューバが対戦する頃には「キューバは走りやすい」という風潮になっていた。

▼しかし、このイスラエル戦ではモレホン捕手の好送球での刺殺があった。

 

▲クリーガー選手の意表を突く盗塁であったが、あえなくアウト。「え、肩良くない?」と勝手に印象付けてしまった。

オリックスの強化試合ではガンガン走られていた彼だが、本戦では調子が良い風に見えた。自分の勘違いか?


・デスパイネに対するイスラエルの極端な守備位置

全盛期にはキューバの秘宝として話題を集め、鳴り物入りで日本球界入りしたデスパイネだったが、いざ日本球界に来ると想像以上の活躍ができなかった。この大会で老兵である彼が4番に座っていることで、キューバの今大会の層の薄さを露呈していた。

▼そんなデスパイネだが、この試合では先制本塁打を放っており、調子は悪くなさそう。イスラエルの彼に対する守備シフトをよく見る、かなり極端な場所に守ってることがわかる。

 

▲セカンドがショートのほぼ横に守っている。引っ張り専門として分析された結果だろうか。

結果、デスパイネに死球を与える。警戒し厳しく攻めた結果だと思うが、イスラエル戦こそが彼がこの大会で輝いた一瞬であったことだろう。


・6回にイスラエル勝ち越し

▼6回のイスラエルの先頭打者はタイ・ケリー。3Aとメジャーを行き来してる現役選手。

 

▲見事にレフトにヒットを放ち、勝ち越しのランナーとして出塁した。

その後、3番は倒れるが、4番のフレイマンが四球で出塁し、勝ち越しのチャンスが拡大。

▼結果、5番のボレンステインがヒットを放ち、セカンドランナーのケリーが生還で勝ち越しに成功。

 

▲逆転までがあっさりしすぎている。

さらにその後に、守備で魅せていたガイレンがタイムリーツーベースを放ち追加点。3−1とする。


・挟んだランナーを刺せず流れが完全にイスラエルに

▼その後にイスラエルの攻撃にて。出塁したランナーをキューバの投手が牽制で挟むが、アウトにできず。

 

▲ここでアウトにできなかったことで、完全に流れをイスラエルに渡してしまった。

ズルズルとさらに追加点を許し、4−1と試合をほぼ決められる。

キューバは守備から流れを乱した感はあるが、単純にイスラエルの打線が一枚上手だったのも事実。


・イスラエルの守護神のゼイド

イスラエルは最終回に守護神のゼイドをマウンドに上げる。

▼150キロを超える速球を中心に強気に勝負。

 

▲「打てるもんなら打ってみろ!」的な直球勝負。結果、キューバ打線を無失点に抑えて勝利。

試合終了後のイスラエル選手の喜び方がすごかった。これぞユダヤ魂ってやつだ。最後の最後に圧倒的な力勝負で勝利したということで、後に戦う日本を心配してしまった。この試合時点で全勝のイスラエルのインパクトはすごかった。日本とイスラエルが決勝ラウンドに進む姿をイメージしてしまったぐらいに。

最後にマウンドに上がったゼイドは大会最優秀投手に選出される活躍。そして、大会後にメジャー契約を勝ち取ったからすごい!

後になって決勝ラウンドに駒を進めたのは日本とオランダだった。それでもシンデレラチームとして、今後も発展がありそうな現在のイスラエル代表の姿が見れて光栄であった。

これまでに日本のプールは楽ゲームと舐められていたが、イスラエルが力を付けていけば、他プールに負けない激戦区になること間違いなさそうだ。ユダヤ系で活躍するメジャー選手がガチで集結したら脅威になり得る。

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